好きやった。



ちなみに月島から聞かされる彼女との話はすべて、留美にも筒抜け状態だ。

プライバシーの問題とか、そこはアイツにも多目に見てもらいたい。ウチにとってのショックな出来事を伝えるには、どうしても月島の話もしなくちゃいけないのだから。

食があまり進まなくて、お箸を宙に浮かせたまま俯く。


「でもほんま、最低やん……。アイツのこと祝福してるように見せかけて、心の中では全然喜んでないんやから」

「むしろそれが普通やろ。好きな人の恋愛話を聞いて平気な人の方が、逆におらんと思うけど?」

「でもなあ……」


ウチの場合、月島との間には友情があるわけで。

友達としては、祝福できていない今の状況はかなりいたたまれない。

だからと言って友情を優先させて自分の気持ちをすべて押し殺せるかと言うと、それはそれで無理な気もする。というかそれができるなら、ウチはとっくに月島への恋心をどうにかできているはずだ。

それができないからこそ、こんなにも今、悩んでいる。


「ていうかさ、ほんと、アイツってとことん鈍感やよな。彼女とキスしたこと言うとか、亮子のことマジで友達としてしか見てへん証拠やん」


留美の言葉が頭の中で反響する。

自分でもわかっていたことだけど、やっぱり人に言われるとさらにその意味が深く突き刺さってくる。


「……でも亮子、よくそんなこと聞かされて泣かんだね。キスの話とか聞いとって気分よくないやろうし、てっきりあのときみたいに朝から大泣きしたかと思ったけど……違うんやろ?」


留美が言うあのときとは、月島から彼女ができたと聞いて更衣室で泣いていたときのことだ。