好きやった。



おまけに平日は、一緒に下校するようになった。

部活が終わると彼女が体育館の玄関の前で待っていて、月島はいつも嬉しそうに彼女のもとへ向かっていく。

そしてしばらくそこで話したあと、仲睦まじく並んで帰っていく。

これらの光景が恒例になったことで、二人が付き合っていることは月島から直接話を聞いたウチを始めとする友達以外も、もはやほとんどの人が知っていたり察しているだろう。


部活終わりに必ず目にしてしまう、月島とあの子のツーショット。

それは未だに平気で見られるものじゃないし、見るたびに胸が苦しくなるけど……。

それ以上に胸が締めつけられる苦痛な変化が、もう一つある。

それはあの、毎日月島が聞かせてくれていた日常のなんてことない話が、彼女の話一色に染まってしまったこと。

アイツの日常が彼女を中心に回り始めたことを突きつけられるには、十分すぎることだった。


「亮子ー、まだ寝とんのー? 起きやなあかんでぇー!」

「起きとるよ~!」


1階からお母さんの声が聞こえてきて、即座に返事をした。

実際はまだ布団の中だけど、こうでも言っておかないと何回も言ってうるさいから。


「……しゃあない、行くか」


覚悟を決めて布団から出る。

前まではどれだけ早起きが嫌でも、ちょっとでも早く朝練に行けば月島と二人きりになれるから、それだけを楽しみに毎日頑張ってこれた。

でも今は……複雑や。

月島には会いたい。

でも会えば聞きたくない話を、笑いながら聞いていなくちゃいけない。