シャッ。
カーテンが勢いよく開く音。

「駿佑ー。朝飯作ってー。」
朝から元気のいい声。

「んー…。」
眠い目をこすって、布団をめくる。


俺は神崎駿佑。18歳。

高校は行ってない。とある企業の情報管理の仕事を
自宅でしている。


「…朝飯ぐらい自分で作れよな… ふぁーっ…。ねみっ。」
アクビ混じりに文句を言う。

「だって駿佑の料理は美味いし、俺学校だもーん☆」

そう言って笑うのは、ルームメイトの坂上康也。
 
康也は俺の幼馴染だ。小さい頃からいつも一緒にいた。
親同士も仲が良くて、体型も似てる上に
お揃いの服とか買っちゃうもんだから、双子だと間違われることも多かった。
昔からいい顔をしていた康也は、今も学校ですごくモテるらしい。


康也は、俺が作った野菜スープとトーストを口に詰め込むと
スクールバッグを手にして玄関へ向かった。

「行ってきまーす!」

「おうー。気をつけてなー。」
そう言って笑顔で手を振って見送る。


急に部屋全体が静かになった。

康也が食べた朝飯の食器をキッチンのシンクへ運ぶ。
ささっと洗ってシンクの掃除も済ませた。
冷たい水で手が冷えたが気にしない。


「…着替えて買い物にでも行くか」
独り言のようにつぶやくと、俺は黙って準備を始めた。