執事〈♀〉は狼たちを虜にする




今度はちゃんと食堂にたどり着いた。


そしてその奥の部屋にキッチンがある。



「遅れてしまってすみません ! 」


私はキッチンに入るなり、すぐに謝った。


鳩場さんはチラッとこっちを見たけど、また視線を戻した。


....うっ.... 怒ってる....


でも、許してもらえるまでちゃんと謝りたい。





「寝坊して、本当にすみませんでしたっ ! ! 」


私は鳩場さんに近づいて、深く頭を下げた。


それでも鳩場さんは何も言わない。


あぁ.... 冷たい視線が注がれてる気が...



すると____


「次はありませんよ。」


確かにそう聞こえた。


私がガバッと顔を上げると、相変わらず鳩場さんは淡々と料理を作っていた。



許してもらえたんだよね... ?


よーーし、次からは絶対に寝坊しないっ !


私は強く心に決めた。