執事〈♀〉は狼たちを虜にする




「はい。いつもリムジンじゃ目立ってしまいますからね。」


そう言いながら、車のドアを開けてくれる。


私はお礼を言って車に乗り込んだ。




リムジンほどじゃないけど、この車もかなり高価そう。


黒くて光沢が出てるし。


傷をつけないようにしよう。


そんなことを思ってふと前を見ると、バックミラーごしに鳩場さんと目があった。


あ..... 前より運転席が近い。








「栗山さん、目が腫れていますね。」


「.......え」


もしかして、バレてる ! ?


声を上げて泣いたなんて口が裂けても言えない。


そんなに腫れてるかなぁ