「……つーことで、作戦会議を始めるぞ」



テーブルのそばに座り、本題に入ろうとする俺。


が、俺の言葉を無視して、2人はベッドの上で話を花を咲かせている。



「でね、そのときの歩すっごいツンデレだったよ!!」


「マジか!」


「あれはやばかったね〜」



まだその話かよ!!


どんだけ精神年齢低いんだお前ら……。


俺がツンデレだろうがなかろうがどうでもいいことだろーが。


人をネタにして楽しげに盛り上がり、一切話を聞こうとしない2人に、イライラは最高潮に達した。



───ダン!!



俺がテーブルを殴りつけた音で、部屋が一瞬静まり返る。



「……聞け」



低くそう言うと、2人は大人しく頷いた。


これでやっと始められるな。



「まずは、【睡蓮】の全体の様子を把握したい」


「様子って、どうやるの?監視カメラでも仕掛ける?」



真浩の言葉に首を振る。



「いや、仕掛けてもすぐバレる。
だからこっちから入り込むんだよ」



言いながら、テーブルの下からパソコンを取り出して起動させる。


画面にはここ周辺の地図が現れる。


銀髪が隣から顔を出して、画面をのぞき込んできた。



「おい歩……地図なんて何に使うんだ?」


「見てれば分かる。
あの倉庫の場所は……」



カーソルを地図上のとある場所に指して、ダブルクリック。


すぐに見覚えのある倉庫帯が映し出された。