階段を上っている途中で、銀髪が興奮した様子で話しかけてきた。



「なぁ歩!お前の母ちゃん超美人だな!」


「モデルやってるから当たり前だろ。
つか、その小学生みたいな言い方やめろ」


「モデルだとぉぉぉ!?……ナンパしてこよ」


「ぶっ殺すぞ変態」



殺意を込めた目で睨むと、銀髪はヘラヘラと笑った。



「ウソに決まってるだろ?
てか思ったけど、歩って案外マザコn……」


「あ''ぁ?」


「ゴメンナサイナンデモナイデス」



チッ。


安定のイラつかせぶりだな、この野郎。


俺のどこがマザコンだよ。


んな要素どこにも無いだろーが。



「大丈夫だよ、歩!
歩はお母さんのことが大好きだけどツンデレだから態度に出してないだけだよね!!」


「真浩、お前もいっぺん死ぬか?」


「あれれ、図星?」


「...好きじゃねぇし。あんなんババァだろ」


「出たツンデレ〜」



...こういうヤツには何を言っても無駄だな。


墓穴を掘るだけだ。


……つーか、さ。



「わーい、歩がツンデレ認めた〜!」


「やっとか!ま、歩は全国のツンデレ代表だもんな!」


「でもМのツンデレって危なくない?」


「この顔でそれはやべぇな」



このテンションでこれから真面目な話できんのか、コイツら……。


あと俺はMじゃねぇし。