非王道の恋


「(相談に乗るとは言ったけど…)」

私は年齢=彼氏いない歴の人間だ
もちろん恋愛経験は0
そんな私で役に立てるかと言えばNOだろう

「お、楓じゃん。今帰りか?」

「そうだけど…秀君はなんでここに?」

帰ろうとしていた私に声をかけたのはバスケ部の長谷川秀(はせがわ しゅう)君だった
秀君と私は帰る方向が一緒で偶に電車でも会うことがある
秀君は綺麗な黒髪の持ち主で明るい性格から友達も多い
その性格のおかげで喋るのが苦手な私でも秀君と気兼ねなく話すことが出来る

時計を確認すると今は部活をやっている時間帯。
なら秀君も体育館でバスケをしているはずなのになぜここにいるのか疑問に思っていると秀君の手に包帯が巻かれているのに気が付いた

「秀君…もしかして怪我したの?」

私がそう尋ねると秀君はバツが悪そうに頭を掻きながら苦笑いを浮かべた

「ちょっと捻っただけだよ。こんなのすぐ治るからそんな顔するな」


どうやら知らないうちに眉間に皺が出来ていたらしくコツンと指で弾かれた
痛くはなかったけど弾かれた部分を両手で隠しながら秀君を軽く睨む
でも秀君はニカッと笑って逃げ出した
反射的に追いかける私
逃げる秀君

現役のバスケ部と帰宅部の私では勝敗は分かりきっていたけど秀君は追いかけてくる私を見てとても楽しそうに笑っていた