「えー体育祭が近づいて来た。実行委員を決めたいと思うんだが、誰か立候補いるか?」
体育祭かあ。
あたし運動苦手だなー。
出来ないわけじゃないけど、面倒くさがり屋で。
「いないのかー。男女一人ずつなんだけどな」
一之瀬先生がうーん、と唸る。
相手が男だとバレづらいからやってもいいけど、女の子だと鋭いからな。危なくて出来ない。
「じゃ、投票制にするか。今紙渡すから、そこに女子一名男子一名名前を書くこと。」
誰にするかなー。
あたしが教室を見渡すと、バチっと佐渡と目が合った。
また、あの笑い方。
絶対あいつあたしの名前書く気だ。
んじゃあ、あいつに入れよ。あたし。
あとー、あのメガネの子でいっか。