「新」


佐渡がスクバを持ってあたしの前に来た。


「何」


「帰ろうぜ」



「……?」



なんか突拍子もないことを言われた気がする今。


「え?」



「だから、途中まで一緒に帰ろうって俺は言ってんの」



「ぶはっ、野郎二人で仲良く一緒に帰るのかよ。うわー虚しっ」


「うっせー。」



「マジホモだと思われるよ」



「それはゴメンだ。もしホモだとしても俺だって相手を選ぶ」



「うーわ。さいてーだな。」



なんやかんやいいながら、教室を出た。