こちらに視線だけをやって、漆黒の瞳は「答えろ」といっている。
でも私も、負けじと言い返す。
「嘘じゃないです。」
そう言いつつ、声は少し震えているが。
それでも。
「さっきの今ではもう騙されない。答えろ。あんな処に一人でうろついて、家はどうした。」
ちら…と運転中の辰巳さんまでも、こちらを見ている。
…運転中の。運転中の。
運転中の辰巳さんが。
ここまできて、「家出ですってば」って通すわけにもいかないし…。
でもでも、名前も知らないような人になんか…。
「俺は仁藤 藍生(にとう あおい)だ。」
私の心情を見透かしてか、そう付け加えた。
…フラグ立っちゃいました?

