や、でも落ち着いて、よく考えたらこの人は他人なんだし。



「かっ、かかか関係ないです、よね……?」

なんとか絞り出した考えと声。
……………そして、勇気。

誰か、私を勇気ある英雄だ、と褒め称えてほしい。


…しかし、そんな考えも、

「関係あるから言ってるんだ。」

意図も簡単にアッサリ糸口を引っ張られた。


「そもそも、何故家に帰っていない。親と喧嘩でもして家出してきたか?」


……痛いとこ突かれちゃったなぁ…。

そう見えるよね。


「……別に、そういう訳じゃない…。」


ふい……と視線を彼から逸らす。




…やっぱり野宿かなぁ……。

それか、どこかの店に頼み込んで住もうか。幸い私は、人とのコミュ力はある。



そんな事を考えていた。

それと同時に、

もしも、普通の女の子の生活だったら。


……なんて考えていた。