鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集

「で? なんでたこになってたんだ?」

「……なりたかったから……」

「え? なりたかった?」

「うん、なりたかったの」

……。
驚いて聞き返してみたものの、まさかしっかりと返事をされるとは。
たこになりたかったって、どういうこと?

「たこに……なりたい……?」

首を捻る俺に、鈴木が説明を始めた。

「瀬田君、美空がなりたかったのはたこじゃないのよ、どのたこでも良いわけじゃないのよ。
たこっちぅっていうこのキャラなのよ。
なんだか美空、最近このキャラがマイブームらしくって。
たこっちぅストラップとかたこっちぅせんべいとか、よく買ってるのよね。
そんな時にたまたま着ぐるみバイト見つけちゃって、どうしてもやりたいって」