そんな中、
｢榛名、ちょっといいか｣
補欠だった、桂木正太(ｶﾂﾗｷﾞｼｮｳﾀ)に呼ばれ、屋上に来た。
｢なあ、愛子ちゃんと付き合ってるって本当か｣
｢……まあ｣
｢いつから｣
｢体育祭のとき｣
｢どっちから告白したんだ｣
｢生田から｣
｢なんでオーケーしたんだ｣
｢つかなんで、そんな尋問みてえなんだよ。話づれえよ｣
｢………ふざけんなよ｣
今度は怒りだした。
意味分からん。
『で、その正太って奴が愛子ちゃんのこと好きなんだよ』
そう言えば新次がそんなようなこと言ってたな。
｢なんでこんな地味男に負けねえといけねえんだよ。コイツのどこがそんなにいいっていうんだよ。意味分かんねえ｣
こいつ、もしかして生田に告ったのか？
｢………じゃあ、俺があいつに似合うようなやつになれば、お前はいいってことか？｣
｢………っ、出来んのかよ｣
｢分かんねえけど、俺は生田の隣にいてえからさ｣
こいつらが不満なのは、生田の隣にいるのが俺だからだろ？
だったら、俺が変わればいいんだろ？
｢榛名、いつそんなカッコ良くなったの｣
後ろから聞き覚えのあるピンと張った凛とした声がした。
｢生田｣
｢愛子ちゃん｣
