「早く捕まえてみろよー遅いぞー」
少年は、早く捕まえてほしそうにスピードを緩めたり速めたりしている。
その後ろを慌ただしく追いかけているのは、この屋敷の使用人らしき人達だった。
「っ待ってください!!零様!!」
「零様!このあと色々とやっていただきたい用事がございます!お戻りくださ
い!!」
息をあらげながら走っている使用人達にもやはり……獣の耳……
零と呼ばれた少年は、スピードを落とすことなく走り続けている。
(っへ…お前らに捕まるわけねーよ。俺を誰だと思ってるんだ、さてどこに隠れようかな……あっ!!ここだ)
(バタン………)
近くにあった扉に急いで入った、あとから
「零様ー!!零様ー何処ですかー?」
使用人達が去っていったことを確認すると零はあらためて一息ついた。
「フー……さすがに疲れるな…」
そのままドアを前にしてしゃがみこむと突然後ろから
