昔の昔……まだ妖怪がたくさんいた頃の話だ……



俺はまだ幼かった、大きな屋敷に産まれて毎日が楽しかった………だが、あんなことがおきるなんてその時は思いもしなかった。







不気味な程に静まりかえった屋敷の中で遠くから小さな足音が聞こえてくる。

「タッタッタッ………」

その小さな足音はだんだん…だんだんと近づいてくる

「おーい、早く捕まえてみろよ!」

そう言葉を発したのは少年だった…けれど普通に何処にでもいる少年とは違った




彼の頭には2つのふさふさした耳、何でも見透かしてしまいそうな鋭い目、髪の毛はショートのメッシュで前髪を上げている。腰の辺りには耳と同様ふさふさの9本の尻尾


………そう…妖怪……この世界の大半は妖怪が多く住んでいる。野生の妖怪に、この少年達みたいに人として住んでいるものも数多くいる


………そう言う世界………