他に人はいなく廊下は静まり返っていた
辺りに気まずい雰囲気が流れ出す


俺にはこの沈黙を破る勇気など無く

ただ下を向きながら
唇を噛み締めていることしか出来なかった



そんな時美少年が沈黙を破り喋り出した



「…体調は大丈夫なんですね…ならいいんです
早とちりしてしまってすみません」



美少年は失礼な俺の態度に怒ることもなく
笑いながらそう言ってくれた


その言葉に俺も返事を返す


「いえこちらこそ失礼な態度をとってしまい
すみませんでした」


俺は美少年の方を向き小さくはにかむ


美少年は一瞬驚いた顔をした後
頭をフルフルと振りゴホンッと咳払いをした


美少年の謎の行動の意味がわからず
首をコテっと横に倒し考え込む


美少年は焦ったように喋り出す


「それではっ僕はこれで失礼しますね」


急いで去っていく美少年を不思議に思いながら
後ろ姿を見送っていた


しかしある重大なことに気が付き
急いで美少年に声をかける


「あ…!ちょっと待って!」



俺の大きな声に肩をビクッとさせ
振り向く美少年


俺は美少年に小走りで駆け寄ると
一定の距離を保ちながらも美少年に問う


「急に呼び止めてすみません…ちょっと聞きたいことがあって…」


美少年は静かにこちらをジィーッと見ている
俺は続けて言う


「…理事長室の入り方教えてくれませんか?」



「「…………」」


少しの沈黙が流れん?となった俺は
美少年の方を向く

すると美少年は肩を震わせ笑いを堪えていた


「なっ!」


美少年の予想外の反応に変な声を出してしまう
俺はなんだか恥ずかしくなり
フイッと横を向く


「…クククッすまないククッだから理事長室の前で
座り込んでたんだなクククッ」



笑いながらいう美少年に恥ずかしい気持ちや
怒りの感情が込み上げ頬をふくらませて
フンッと反対側を向く


そんな俺に美少年は笑いながらいう


「…ククッお前男なのに可愛いなクククッ
…理事長室には僕が入れてあげるので
そう怒らないでください」



最初の方は小さくてよく聞こえなかったけど
理事長室に入れてくれるというので
素直に喜びわかりやすく笑顔になる


「ありがとうございますっ」


俺は今日一番の笑顔で言った