そのあまりの美しさに男嫌いな俺でさえ
ガン見してしまった


するとこちらに向かってきた美少年が
固まって突っ立っている俺に声をかける



「…見ない顔ですね
…もしやあなたは転校生ですか?」



落ち着いたトーンで話す美少年
質問しながら俺の顔をのぞき込むようにしてみている

その行動につい俺は震えてしまう


理由は簡単だ
男が俺の近くによってきたから、だ


いくら美少年でも
男という事実は変わらないからな


そんな俺の様子に
びっくりした表情をする美少年


そんな表情の美少年を無視し
とにかく早く逃げたい俺は早口で答える


「はいそうです…そ、それでは失礼します!」


勢いよく頭を下げ、走って逃げようとした時
俺は動けず腕にある違和感の方へと目を向ける


案の定、美少年が俺の腕を掴んでいた


突然の出来事に俺は焦りまくる
さっきから体の震えが止まらない


そんな俺の異変に気づき
美少年は慌てて俺に問う



「大丈夫か!お前、体震えてるぞ?
体調悪いのか?」



美少年は俺の体調が悪いと思ったらしく
心配そうにこちらを見ている



こいつは大丈夫、アイツじゃない
大丈夫こいつは違うんだ

何度も何度も自分に言い聞かせる



美少年は未だに心配そうにこちらを見ている
少し落ち着きを取り戻した俺は言った



「…すみませんもう大丈夫なので…
手離してください」


その言葉に美少年はハッとした後
すまないと言いながら俺を掴んでいた手を離した