家に帰った俺はすぐさまある部屋へと向かった
ことの原因であろう『奴』の部屋に


ゴンゴンゴン ゴンゴンゴン


勢いよく扉を叩くが中から返事はない



「父さん!いるんだろ!」



そうここは父さんの部屋だ
俺は父さんに確認したくて来たのと
後は怒りに来たって感じかな?



返事がないことにイライラした俺が
勝手に部屋に入ろうとした時だった


ガチャリ


急に扉が開いたのでびっくりした俺は
急いで下がる


中から出てきたのは父さん専属の執事だった


予想とは違った出来事に
口をポカーンと開けてしまう


「な、んで?父さん、は?」


驚きのあまりうまく喋れない
そんな俺を見た執事は申し訳なさそうに言った


「浩様はお仕事で今日の午後一時に
海外に出掛けております」



と言いながら父さんが書いたであろう
手紙を渡された


突然だが今まで言ってなかったけど
俺の名前は橘 優希(たちばな ゆうき)
十六歳だ


父さんは橘 浩(たちばな こう)


三十五歳だ父さんは三十五歳とは
思えないくらいカッコイイとは思うけど
…なんて言うかうざい…


まぁこの話はこれくらいにして
問題はこの手紙の内容だ


手紙の内容はこうだった





愛する優希へ☆

これを見る頃には俺はもう
日本にはいないだろう


更に優希はかなり怒ってるだろうね!
ごめんな優希!


でも優希がいけないんだぞ
高校生になるまでに男嫌い治すって言ったのは
有名人だだからな


それまでに治せなかったら父さんが
無理やりでも治すって約束だったからな?


でも、もし優希が無理だっていうなら
やめてもいいんだからな


無理はしないでくれな
まぁ父さんが仕組んだんだけどな☆


じゃあ頑張れよ優希


優希の父さんより





「……………」


俺は手紙を読み終わっても
下を見て俯いていた


すると執事が心配した様子で話しかけてきた


「…優希様?これは優希様の為を思っての
行動でございます。
どうか浩様を嫌わないでください」


どこか悲しそうに執事は言った


その言葉に俺は執事の方を向き
にっと笑って見せた


「分かってるよ父さんはいつだって
…俺の為だからね」


再び俺は笑顔を見せる
さっきまでの怒りはなく逆に
穏やかな気持ちだ


すると執事も嬉しそうに笑った


その後俺は自分の部屋へ戻る
しかし部屋に入った俺は
またもや思考停止に陥った


荷物がほとんど無かったのだ


「……へ?」


男勝りな性格な俺が
女が言うような驚き方をする位驚いた


だって部屋の荷物がほとんどないんだぞ?!
これは驚くなって言ったって無理だ