ここはどうやら金髪の部屋らしい
3LDKぐらいの広さの部屋だった


部屋は綺麗に片付いている
…とゆうよりあまり使っていない様子だった


ハッ!あまりの綺麗さに今の状況を忘れてた



危ない危ない…そうだっ!
神崎に電話をかけて助けを求めよう



急いでポケットから携帯を取り出し
電話をかける


それと同時に金髪は俺をベッドへと投げる



「っっ!」



いきなりの衝撃により俺の手から携帯が落ちる
幸い、通話ボタンは押したから
大丈夫だとは思うが…



プルルッル… プツッ



神崎はワンコールなり終わる前に
電話に出てくれたらしく
金髪は気づいていない



しかし俺はそれは違うのだとすぐに気づく

なぜなら金髪はちらっと俺の電話の方を見て
一瞬だけ笑ったのだ



その瞬間を俺は見逃さなかった


何を考えてるのかわからないが
きっと悪巧みをしているんだ



「…優希かどうした?なんかあったのかー
おーい聞こえてる?おかしいなー?」



俺の電話から神崎の声が聞こえる
とっさに携帯を拾い
神崎に助けを求める…



「神崎!たすけ…っん!」



俺は最後まで言えずに電話を切られる
もちろん金髪にだ


「この…返せっ金髪やろー!」



必死に携帯を取り戻そうとするが
両手首を捕まれ動けなくなる


あれ?デジャブ?
さっきもこんな事あったような…



「…悪い子には、お仕置きしないとなぁ?
後俺は、雨路 夏陽(あまじ なつき)
だ覚えとけよぉ?」



恐怖に顔を歪ませている俺を見つめながら
雨路は不敵に笑い言った後



雨路は両手首を掴んだまま俺を押し倒す
やばい…本当に今回はやばい



俺はなんとか説得しようと抵抗しながらも
必死に雨路に問いかける



「ま、待て!俺は男なんだぞ?
考え直せって!」



だが雨路はこちらを見て笑いながらいう



「別に?男でも関係ねぇんだよ俺にはぁ
てか、おとなしくしろってぇ」



そうだったまた忘れていた
こんな事言っても効かないか…



と雨路が俺の両手を押さえていない
もう片方の手で俺の背中をツーッと指でなぞる


「っん…っ!」


つい俺は耐えきれず声を出す
そんな俺の反応に雨路は口元をつりあげ



「お前、女みたいな反応するんだなぁ?
よけいに気に入った、
どうしたぁ抵抗しないのかぁ?」




…いやだっ!いやだ!こんなやつに
こんなやつ何かに…



パニック状態の俺は
無意識のうちに無抵抗になっていた



雨路はその隙に俺のブレーザーを脱がせ
シャツのボタンを1つまた1つと
慣れた手つきで開ける



俺はうつ伏せ状態なので
サラシはまだ見えていないと思うが



バレるのも時間の問題だった
俺がもう全てを諦めかけていたその時だった



バンッ!!!



大きな物音がしたと思ったら
ハァハァと息を切らしている神崎が
入ってきた



「っ神崎!」



神崎が助けに来たことが嬉しくて
俺は神崎の名前を呼ぶ


「…優希!ごめんなっ遅くなった。……
おい雨路っ!今すぐ優希から離れやがれっ!」



そう言いながら神崎は雨路に殴りかかる



雨路は俺を掴んでいた手を離しヒョイっと避ける
すると神崎を睨み不機嫌そうに喋り出した



「おい、神崎ぃ?お楽しみを邪魔をするたぁ
いい度胸だなぁ?あぁ?」



殺気を飛ばしながら言う雨路
だが神崎は動じることなく言う



「お前なぁ…気に入ったやつをすぐ襲うの
やめろって言っだろ!?
それを破ったお前が悪い!」



はぁ?と言いながら雨路は反論する



「んなの約束してねぇよ、もういいわぁ
萎えた萎えた、だからさっさと俺の部屋から
出ていきやがれぇ」



雨路はそう言うと俺に向かって携帯を投げた
それを見事にキャッチ



神崎は俺のブレーザーを拾い
俺にかぶせる



「…着とけ。…無事で良かった…本当に。
ごめんな、油断してたよ…」



神崎は本当に申し訳なさそうに俺に言うと
言いにくそうに小声で『体…大丈夫か?』
と聞いてきた


震えのことを言っているのだろう
俺は大丈夫だと言って


笑ってみせる
本当はまだ震えが止まっていなくて
顔がひきつるが


これ以上迷惑はかけたくない
俺は嘘をつくことにした



「…本当お前ってやつは…無理するなよ」



神崎は俺の頭を撫でながら優しく笑う
何故か頭を触られたのに
震えは酷くはならなかった


むしろ震えが収まったのだ


俺はそれに…ん?と思いながらも
スタスタと急ぎ足で神崎と部屋を出た