あの後、叫び出した俺を必死に神崎が静め
どうにかなったものの
結局理事長には会わなかった



神崎が必要ないと言って
俺を理事長室から引きずり出したのだ



もちろん身体が震え出しそれに気付いた神崎は
すぐに掴んでいた手を離し
すまねぇと言って謝ってくれた


今俺達は自分の部屋へと向かって歩いている


神崎は部屋へと向かいながら
いろいろな説明をしてくれている


「あっそうだ言ってなかったけど
ルームメイト俺とお前だけじゃないから
俺とお前ともう一人いるから気をつけろよ?」



「うーん分かった…って、ん?今なんて…」



適当に返事をしていた俺は
バッと神崎の方を見る


すると神崎はため息を吐きながら
こっちを振り返り言った


「だーかーらー!ルームメイトは俺とお前と
もう一人いるから気をつけろよっ!」


まじでか…
神崎一人でもしんどいのに
もう一人ルームメイトがいるのか?



なんて運命は残酷何だ…。
てゆうか気をつけろってなんだよ


「お前ボディガードじゃねぇのかよっ!」


つい口からこぼれる本音
シーンとしていた俺が急に叫んだので
バッとこちらを振り向く神崎


「…それゃあボディガードだけど
ずっと一緒にいるわけには行かないだろ
その時の事言ってんのっ!」

そう言った後すぐにまた喋り出す

「てか何怒ってんの?俺なんかした?」



「別に怒ってねぇよ…」


そう言いながらもフンッとそっぽをむき
腕を組む俺


そんな俺を見て神崎がため息を吐きながら
カツカツと近付いてきた


「っな、なんだよっ!」


無表情で神崎が近付いてきた


すると目にも止まらぬ速さで
腕をぐいっと素早く掴まれ


バランスを崩した俺は神崎の胸へとダイブ


俺の身体は震えると同時に体温が急上昇
思わず赤面してしまった



首に口づけされた時に赤面しなかったのは
必死に抵抗していたし警戒してたからだ



でも今は違う、すっかり油断していたから
女子みたいな反応をしてしまう


まぁ女子なんだけど


そんな事を考えてた時
耳元で神崎がまた囁く


「…俺が守ってやるからそう怒るなよな…
まぁ出来るだけだけど」



そんな事言われたことなかった
正直そこらへんの男子よりかははるかに強いし



喧嘩で負けた事なんてないから
そんな俺には初めての言葉で


正直ものすごく嬉しかった



「…ありがとな!
しょうがなく守られてやるよっ」



俺はコテッと首を横に倒し笑いながら
神崎に言った


すると神崎は急に俺を突き飛ばし
顔を片手で抑えてそっぽをむく


「…その顔反則だろ…///」


俺に聞こえないくらいの声で神崎がそう言った


「なんだよ!?
突き飛ばすことねぇじゃねぇかっ」


そんな事も知らず俺は神崎の態度に
怒りながら文句を言っていた