―辛いときとか、連絡してこいよ。
負けそうになった時とかさ。
それが俺ができる恩返しだからさ―
何言ってるの。
恩返ししなくちゃいけないのは私。
あんなに困らせて、悩ませて、
迷惑をかけたんだから。
それなのにどうしてこの人は私に、
こんな言葉を投げかけるの?
無駄だって、言ったのに。
イライラするんだって、言ったくせに。
もう好きになることなんかないって、
そう言ったくせに・・・。
―あかね、沢山の思い出をありがとう。
お前が復活すんの待っててやるから。
迷惑じゃないからさ。早く元気になれ。
ほっとけるかってんだよ。頑張れよ―
ずるい。
あなたは、ずるいよ。
そばにいられないのなら、忘れさせてよ。
そんな言葉で、私を引きとめないでよ。
どう返していいかわからず、急に涙が溢れた。
こんな文字じゃ、わかんないよ・・・。
会いたかったよ。
ちゃんと、あなたの声で聞きたかったよ。
“和輝”
呼んでも、彼には聞こえない。
“和輝”
彼はもう、応えてはくれない。
“和輝”
去年のようにここに、来てはくれない。
“和輝”
「よお」
海斗がそうしたように、イヤホンが耳から外れた。
びっくりして顔をあげると、
そこには私の恋い焦がれた人がいた。


