だいたい数え終わって、入力する前の確認をしていたところに、松田さんが戻ってきた。
たった今、片づけと清掃、翌日の準備をしていたメンバーが帰ったらしい。
周りをみると、倉庫で他のコーナーの景品を数えていた人もいなくなっていた。
進み具合だけ報告したあと、なんか話したいけど、なかなか次の言葉が出てこなかった。
しばらく、ふたりで景品を片づけるカチャカチャという音が響く。
「寧々さんは、彼氏いるのー?」
手が止まった。
「い!いないですよ!!!」
実際にいないし、反射的に答えたけど、突然だったからおもいっきり噛んでしまった。
「松田さんは!」
これも反射。
知りたいけど聞く勇気はなかった。