「お母さん咲ちゃんパス!」

「あはは、よも焦らなくていいのよ」

「ねぇね!」

「はいはい、おいで!」

 智希と望亜に同時に抱きつかれたよもは、呆気なくソファに逆戻りした。2人を両腕で何とか抱きこんで、抱きしめる。

「ねぇね、いいこして?」

「ねーね!もっとぎゅってして!」

 よもの体に一生懸命くっついている智希と望亜によもは早くもやられたらしい。
 少し顔を赤くさせて、要望通りに撫でまわし抱きしめている。

「ふにゃぁああ!」

「はいよも~、1人追加」

「え…」

 私の腕は2本しかありません。とか言いそうな顔をしているよもに容赦なく咲が加わる。

 全く、賑やかなことだ。