「やっと大人しくなってほっとしたのかしら。最近は咲もよもにべったりだから、よもがいなくなるだけで、大声で泣くんだから」

「よもが母親だと思ってるんじゃないのか」

「ともとみあの影響もあると思うけどね」

 なるべく音を立てないようにこそこそとダイニングテーブルを挟んで話す。
 智希たちがいる限り、よものギリギリのラインは守られるだろう。

「…ん、ふにゃぁあああ!!」

「ッ!?え、咲ちゃんどうしたの?」

 突然泣き出した咲に驚いたよもが飛び起きる。
 その反動で望亜と智希もびっくりして起きたようだ。

「っん…ねぇね!」

「ねーね、ぎゅうってして~」

「えぇ!?」

 望亜も智希も寝ぼけて甘えただ。よもは早くも振り回されてあたふたし始めた。