いつも通りの席に座る。晴野くんは、暗記用の単語帳なんか持って、勉強していた。
「聞かないのか?なんで来なかったか」
「い、いや。僕には関係ないし…」
気になってはいた。だけど、別に聞くほどでもないと思う。
晴野くんは単語帳を閉じて、少し笑う。
「仲間と勉強会してたんだ」
「…仲間?」
「そ。仲間。まだ3人しかいねぇけどな」
仲間…友達みたいなものだろうか。晴野くんの表現に少し戸惑う。
だけど、友達がいるならわざわざ僕に教えてもらうこともなかったはずなのに、どうして僕に声をかけてきたんだろう…。
思っていたことが顔に出ていたのか、晴野くんはにやりと笑う。
「颯人を仲間にできると思ったから」
「え?」
「なぁ、颯人。案外さ、いい学校に行くよりも、大事な仲間のいる学校の方が楽しいかもしれないぜ?もちろん勉強は大事だし、いいところに行くのも大事かもしんねぇけど、それでも、やっぱ必要だよ。仲間って」
晴野くんは僕の心を読んだようにふるまう。だけど、その動揺を隠して視線を落とす。


