1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)


「あとね。助けを求めないのは、私は清牙に守ってほしいわけじゃないから。私は、清牙の隣を歩きたいのよ」

 桃はあまりにもかっこよくて、何も言えなかった。

 清牙くんのことはよく知らないけど、お似合いなんだろうな。他の人が間に入る隙なんてないくらいに。

「…ねぇ、桃。遅くなったけど、友達になってくれない?」

「私、こんなんだよ?」

「いいの。…むしろ、そっちの方がいい」

「そう。なら、よろしく。紅葉」

 手を差し出してくれる。こんなこと初めてだ。桃が手を差し出したのも、清牙君以外に微笑んだのも…。

 その初めてが自分であることがすごくうれしい。

 手を掴み返すと、ぎゅっと握ってくれた。

「で、紅葉。ものは相談なんだけど…。髪の毛、整えられる自信は?」

「え?私が切るの!?」

「清牙にばれたらまずい。だから、お願い」

 大胆って思ったのもその時だけで、結構長かった桃の髪をバッサリと切る。ショートでも、桃に十分似合っていて、桃も満足したみたい。

「紅葉うまいんだ。これから紅葉にカットお願いしよっかな」

「えぇ、プロに頼みなよ」

「遠慮しない!私はほんとのことしか言わないんだからね?」

 桃のはっきりとした言葉に思わず照れた。