1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)


「ならさ、紅葉は助けを求めるんだ」

「え?…だって、そんな制服2着目とか必要なくらいいじめられてるなら…」

「助けを求めたら、どうなると思う??」

「え?どうなるって…」

「まさか、いじめがやむと思ってる?ないない。むしろエスカレートだよ。どんどん酷くなって、最終的に」

 首筋に爪を立てて一文字に横に滑らせる。

 ね?と笑う桃にぞっとする。

 まさか、ただの子どもの一時的な感情でそこまでするわけ…。

 そんな否定もできないほど、桃の話はどこか現実味があって、恐怖感が付きまとう。

「だから、言っちゃダメなんだよ。清牙は絶対に助けようとするからさ」

「…桃は、なんでそんな清牙くんに…」

「言ったでしょ?幼馴染だって。私、ずっと前から清牙の後ろに隠れるように生きてきたの。いつだってね、清牙は優しいの。でも、その優しさに悲しさが見えた時がある。…いつの間にか、ほっとけなくなってた。私がそばにいなきゃって思うようになってた」

 桃は、真剣な目をしていて、軽い気持ちで清牙くんに近づこうとした自分がひどく恥ずかしい。

 だから、屈しないんだ。清牙くんのことを知っているからこそ、離れられないんだ…。