1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)


「で、清牙はなんで剣人に声かけたの?」

「ん?…つまんなさそうな顔してたから」

 確かにそうだったなと思う。

 わざわざ席の離れた俺に声をかけてきた晴野はそう言って、笑った。

 桃はふ~んと言いながらも俺の顔を見る。

 …なんだよ、そんなに俺つまんねぇ顔してるのか…?

「あ、清牙バイト」

「え?…あ、やべ…!」

 気づいてたら1時間たってた。清牙のバイトに合わせて解散になる。

 アパートの前で清牙を見送って、なりゆきで桃と紅葉と駅まで向かう。

「ねぇ、学校そんなにつまんない?」

「は?」

 いきなりそんなことを言い出した桃は、俺をまっすぐに見つめてくる。その目がどこか晴野と似ていて、なんとなく逸らす。

「だから、なんだよ」

「…そんなつまらないなら、清牙とほんとに友達になっちゃえば?」

「…はぁ?」

 なんだよそれ。晴野といたら楽しくなる…って、そう言ってるのか?

 桃は意味深に笑い、前を向いた。