1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)


「大丈夫か?」

「あ、あぁ…」

「立てるか?」

 手が差し出される。その手を掴んで、立ち上がると改めて倒れている人数を見る。

 これだけの人数を息1つ乱さずにって、化け物かよ…。

 晴野はというと、入学式にのんきに声をかけてきたまんまで、とても今ケンカしたようには見えない。

「清牙~?終わったの?」

「終わったけど来るなよ、桃。惨状だ」

「嘘つけ!!」

 思わず突っ込んだ。倒れてる奴らに一切血は付いていない。血を出したのは俺だけだ。ほかは全員、傷1つない。

 清牙は心外なという顔をして、その間に桃とかいう奴が来た。入学式の日、晴野の隣を歩いていた女だった。

「あ~あ、清牙怒らせるから。ざまぁないわね」

「桃、女がそんな口きくな」

「あら、女性差別?女だってね、ケンカもするし悪い言葉も吐くわ」

 桃ってやつは晴野を黙らせてしまう。

 うわ、女の方がこえぇ…。