1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)


「返してください。俺の友達」

「は?…っぶ、ぎゃはは!おい、聞いたかよ。友達だってよ」

 笑いの連鎖が起こる。げらげらと無粋な笑い声が響く。

 そんな中で、晴野だけは真剣な目をして番長を見つめる。

 笑いすぎて涙目になった番長が、晴野を見てにやりと笑う。

 まずいっ晴野が巻き込まれる…!

「返してほしかったら、俺らに勝ってみろや!!」

「晴野ッ逃げろ!!」

 番長の拳が晴野に迫る。なのに、晴野は動きもしない。

 やっぱりケンカ慣れなんかしてねぇ。ただの無駄な正義感で動いちまうまじめバカだ。

 間に入ろうとしても、もう間に合わない。

 拳が、晴野の頬を捉える。…はずだった。