「よ、蓬…?」
「そんな腰の軽い人だと思ってませんでしたよ」
「は?おい蓬…」
もう知りません。もうこれ以降会ってやらないんですから。
プイッとそっぽを向いて、視線も合わせてやりません。
「あ、あのお父さん、腹違いって、父親が同じで、母親が違うって意味ですよ」
「え?」
通路側にいた父親が、誰かに話しかけられています。
うぅ、そんな説明しなくても分かってますよ。
ずっと母親を思っていたのかと思えば、他の女性とそんなことをしていただなんて、しかも悪気なく!!母親と籍を入れるとか言いながら!!
最低です。
「…蓬!誤解だ!種違いだ、種違い!!」
「そんな言い訳…」
「蓬、悪い。勘違いしてたのは私の方だった。だから、そんな目で見るな!」
父親の必死の形相に周りの人が肩を震わせてしまっていました。
通路のお兄さんも顔をそむけて笑いをこらえているようです。


