旺太がそう聞くと、優志は眉を下げて困ったように首を傾げた。


「それが……青い蝶を追いかけていたらこの電車に乗っちゃったんだ」


優志の言葉にあたしは目を丸くした。


青い蝶ってもしかして……。


「青い蝶!? それって、もしかしてあたしが見蝶と同じかもしれない!!」


一瞬、自分の心の声が口に出たのかと思った。


しかし、そう言ったのは目を丸くした澪だったのだ。


「どういう事?」


あたしは聞く。


「あたしも、青い蝶を追いかけてここへ来たの。キラキラ輝いて金色の鱗粉が……」


「それ、俺も見た!」


今度は朋樹がそう言った。


「まじで? あたしもなんだけど」


唖然とした表情で愛奈が言う。


うそ。


まさか、ここにいる全員があの蝶を見ているってこと?


旺太があたしへと視線を移す。


「穂香は?」


「……あたしも、青い蝶を見た……」