暗闇の中、あたしの心は温かかった。


また旺太と出会えて、旺太にときめくことができた。


それが嬉しかったんだ。


旺太はまだ思い出せていないみたいだけれど、あたしたちは……あたしたち6人は、もうここで何度も繰り返しあっているのだ。


その度に、あたしは旺太に惹かれている。


この気持ちがすべて消えてしまうのは悲しいけれど、きっと次出会ってもあたしは旺太に恋をするだろう。


落ちていく感覚を感じながら、あたしは自分の右腕にナイフで切られたような傷がつくのを見た。


その痛みは全身に駆け巡り、顔をしかめる。


なんとか旺太を思い出し、思考回路が持って行かれないようにするけれど、それもうまくはいかないみたいだ。


どうあがいても、この中で過去の苦痛から逃れる事はできないようだ。


切られた腕からは血がにじみ出て、流れていく。