全国でも屈指の指定暴力団。
五代目三条組直系榊原一家総長の孫。
文字面だけでもいかつそうだけれど、簡単に言えばとっても怖い全国屈指の極道さんの孫。
それが私の同級生である、榊原恭平くんだった。
そうはいっても、彼の存在を知ったのは高校に入学した直後のこと。
逆らうと半殺しだとか。
昨日も他の一家と抗争してたらしいとか。
背中には派手な入れ墨があるとか。
同じクラスになったわけではなかったけれど、なんとなくの噂だけを聞いて私は高校生活を送っていた。
そんな高校一年生の夏休み明けから、噂の人である榊原くんが、よく私が図書当番をしている図書室へやって来るようになった。
本なんて興味あるのかなと思っていたけれど、私が当番である日はいつも彼がやって来る。
それから窓際の席でどこか不機嫌そうに、いつでも本を読んでいた。
あまりじろじろ見るのも失礼だと思って、気にしないようにしていたけれど。
いつだったか興味本位で、彼が本棚に戻していった本を見てみたことがある。
それは私の大好きな作家さんのミステリー小説だった。
そんな些細なことで、私は一方的に。ほんのり少し。
榊原くんに親近感を抱くようになった。
