「別に…
先輩のこと認めるわけじゃないですけどさっきの話聞いてて何となくこの人なら大丈夫かって少し思ったんで」
そう言う遼は私たちに背を向ける。
きっと普段遼はこんなこと言わないから少し恥ずかしいのかもしれない。
「でも傷つけたら先輩でも許さないっすよ」
その言葉を聞いた五十鈴君は何故か嬉しそうで、口元が緩んでる。
「もちろん!!
萩野のこと誰よりも俺が幸せにしてやる!」
大きめな声で五十鈴君はそう言うと勢いよく遼の方へ近づいて…
「これから俺ともよろしくな!」
背伸びをしながら後ろから遼の頭を撫でた。
そんな五十鈴君の手にすぐに反応した遼は振り返って…
「なっ…んですか…!
背伸びとか身長足りてないですから!」
五十鈴君の手を掴んで頭を撫でるのを止めてる。
「1年のくせにうるせーぞ!」
少しこんな光景が見られたのは私からしたらすごく嬉しい。
「遼佳なんかあったらすぐ言えよ!
もっと身長縮ませるから」
遼…
なんだかんだやっぱり遼は私の大切な弟だよ。
「うんっ!!」