時にはケダモノくんなのです







「萩野の弟には申し訳ないけど…



それでも俺は萩野と別れるつもりなんて一切ないし…


なんなら認めてくれるまで俺は待つよ」






いつもの明るい笑顔を見せた五十鈴君はまた私の心臓を跳ねさせた。





遼も五十鈴君と話す機会が増えれば少しは考え方が変わってくるのかな…?







「うん…。


私も遼と五十鈴君が仲良くなってくれたら嬉しいな…。」







そう私が呟いた時…






近くで何かが落ちる音が聞こえた。






「?」








私と五十鈴君は同じタイミングで物音がした方を見る。






誰か分からないけど男子生徒の足が見える。







「…?」






五十鈴君が立ち上がってその方向へと近づく。





私もジッと見つめる。







「なんか落ちましたよ」






五十鈴君がそう言って、すぐ近くにいる生徒のそばに行った時…







「あれ……」








五十鈴君はそう言って私と男子生徒を交互に見る。