「ただいま〜」





家のドアを開けて声を出せば、すぐに遼が私の元へと寄ってきた。






「陸哉のこと置いて帰ったんだって?」






いつもより鋭い目をした遼が口を開く。





そんな顔もイケメン…なんて他の子達が見たら思うのかもしれないけど私には弟としか思わない。






「あー…うん…。


今度会ったら謝るよ…。」






植上君には本当に申し訳ないことをしてしまった。






連絡先も知っている訳じゃないから会った時に謝るしかできない。






「…五十鈴 奏がいて、追いかけてったって聞いたけど?」






何故か私と遼の間にはピリピリとした空気が流れる。






この空気感を出してるのは確実に遼だ。





「随分機嫌良さそうだけど。


もしかして付き合ったとか?」