時にはケダモノくんなのです







萩野の弟は俺の顔を見て…






「やっぱ、先輩って可愛らしい顔ですね」







普段だったらこんなこと言われるとムカつくけど今日は何故かなんにも気に触らなかった。





「ん〜俺はこの顔すごく嫌だけどな…。」






ハハハッと自然と笑みが零れた。





なんて単純な男なんだ俺は…





彼氏じゃないって分かってからの変わりように自分でもびっくり。






「イケメンの方が絶対得するだろ!」






これは確実にそう思う。





俺の顔なんて男らしさの欠片もないからな…







「そんなこともないですけどね?


遼佳、俺もう戻るわ」








萩野の弟は、萩野にそう一言声をかけるとサーッと中庭から出ていってしまった。






その瞬間に…







「五十鈴君あんな弟で申し訳ないです…」








萩野が俺に謝ってきた。