時にはケダモノくんなのです








ここにいてももうなんの意味もない…







2人の邪魔になるし戻ろう…










そう思った時、クスクスと笑う声が聞こえた。








「なーんてね。」








……なんだ…?







「俺、遼佳の弟なんですけど?」







は…?





お…弟……?







「え?」






想像してもいなかった言葉に、2人の顔を交互に見てしまった。









萩野がブスってことじゃないけど全然似てない…。







「俺は萩野 遼です。


遼佳とは似てないってよく言われるんですよね」






彼氏じゃなかったんだとホッとする俺。






何この安心感。





生きてて1番の安心感な気がする…。








「…うわ〜。


萩野に彼氏いんのかと思ってびっくりした。

てか弟めっちゃイケメンじゃん!!」







もう俺は元気だぞ…!!






イライラもモヤモヤも悔しさも悲しさも全部が一気に吹っ飛んだ!!






「背も高いし顔も整ってるし羨ましいわ」







もし弟じゃなくて彼氏だったら多分憎かったと思うけど……。