翌日夕方遅く、キャンプから帰った俺を待ち受けていたのはバトラーの目が笑っていない完璧な微笑みと、

「随分、お早いお帰りでございましたね、ジョージ様。
領土のご視察はいかがでございましたか?」

なんていう最高にエスプリの利いた嫌みだった。

アリシアは側で笑いながら
(ちっともそんなこと思ってもいないくせに)、

「可哀相にジョージ……」

と気の毒がって見せ、スキップしながら部屋へと消えて行った。


「ジョージ様」


アリシアの後ろ姿を見送る俺の背後から、バトラーが顔をしかめながらかしこまって頭を下げている。


「何?まだ、何か嫌みでも?」

「いえ。旦那様がジョージ様をお呼びでございます」

「おじい様が?」