「はぁ.....はぁ.....」


もうダッシュの末、女子トイレに逃げ込んだ私。


な、なんなのあいつ.....


あの私をみる視線と、甘い声が頭から消えない。


知らない間にボーッとする。



何でよりによって私にあんなこと言ったの?


星夜くんのファンなんて、まだまだたくさんいるのに。



それに、星夜くんのこと何も知らないのに、何であんなひどいこと!



『俺の方がいいと思う。』


って、どの口が言ってるの!?


半分ドキドキしながら、半分怒りがこみ上げてくる。



あんなやつにドキドキしてしまった自分を恨みたいと思った。


少し息を整え、


───ぱん



気合いを入れるように自分の両頬をたたいた。



よしっ!


女子トイレを出ると、


「わっ!」

「あれ、優樹菜ちゃん?」


そこには星夜くんの姿が。