どのくらい泣いただろうか。
涙が止まった。
ベッドから重い体をあげたのと同時くらいにケータイがなった。
鞄の中からケータイをとりだす。
『今家の前にいる。会いたい。』
と、夏樹からのメールだった。
会いたい気持ち半分、会いたくない気持ち半分。
でも.....わざわざ家まで来てくれた。
私は、制服のしわを軽く伸ばし、玄関から外に出た。
玄関の前には制服姿の夏樹が立っていた。
「突然、ごめんな。」
「ううん。」
「.......また、泣かせちまったな。」
私の頬をなでながら、夏樹は言った。
「ごめんな......俺のせいで、たくさん泣かせちまったな。」
切なそうに夏樹は言った。
私は首を横に振った。