私だったらできない。
自分の好きな人を、友達に譲るなんてこと。
そんなことができた星夜くんは、とても強くて優しい人だ。
「何で泣いてるのに慰めてやらねぇ。
なんで、ほかの女と一緒にいて優樹菜ちゃんを1人にするんだよ!
優樹菜ちゃんは、お前しか見てねーんだぞ。
お前しか思ってねーんだぞ。」
星夜くん......
もう、十分だよ.....
もう、いいよ。
言ってる星夜くんも辛いでしょ?
それは、外から聞いてる私にまで伝わってくる。
ギュッと私は手を握った。
「そんな優樹菜ちゃんを、お前が幸せにしないで誰が幸せにするんだよ!」
「....」
「お前が隣にいないで、誰が隣にいてやるんだよ!
誰よりも、優樹菜ちゃんを幸せにするんじゃなかったのかよ!
だったら、お前のために身を引いた俺はどうなるんだよ!」

