【完】俺に惚れとけよ。




星夜くんはたくさん優しくしてくれた。


頭をなでてくれたり、抱きしめてくれたり。



「お前みたいに、優樹菜ちゃんを泣かせるような奴から、優樹菜ちゃんを奪ってやりたかったよ。

見てるこっちが辛いよ。


きっと優樹菜ちゃんは、どんなときも夏樹のこと考えてた。


必死に自分の気持ち抑えて。


お前、優樹菜ちゃんの彼氏のくせに、そんなこともわかんねーのかよ。」



夏樹は口を開かない。


星夜くんは、夏樹から離れない。



「お前が、こんなに誰かに一途なの初めて見た。


だから、きっと夏樹なら平気だと思ってたのに。


なんなんだよ今の状況は!」


星夜くんが声を上げるたび、私の心はギュッと痛くなる。


嬉しくて。


でも、星夜くんの気持ちを考えたら辛くて。



一番辛いおもいしてるのは、きっと星夜くんなのに......