【完】俺に惚れとけよ。




「お前なら、優樹菜ちゃんを幸せにできると思ったから!

だから、俺は身を引いたんだよ!」


「星夜.....」


「お前が彼女になれ?ふざけてんじゃねーよ!


俺だってな!優樹菜ちゃんの心を奪えるもんなら、奪ってやりてーよ!

でもな!


優樹菜ちゃんの心には、お前しかいねーんだよ!


たとえこうやって、夏樹の浮気現場見ても、優樹菜ちゃんの心は、お前を思ってんだよ!

俺が入る隙間なんてねーくらいにな!」



星夜くんの声が、少し切なそうになったのが分かった。


そんな声に、私の胸も痛くなる。


「優樹菜ちゃんがお前とケンカするたびに、いつも悲しそうな顔してて。

俺はそんな優樹菜ちゃんの話聞いたりして。


もしかしたら、俺を好きになってくれるんじゃないか、って。」



毎回私の話を嫌な顔せずに聞いてくれた。


私が落ち込んでるとき、すぐ気づいてくれた。



「でもな、どんなに優樹菜ちゃんに優しくしても、どんなに俺をよく見せても、それでも、優樹菜ちゃんは俺を見なかったんだよ。」