【完】俺に惚れとけよ。




昨日の人だ。


夏樹の腕に自分の腕を絡みつけているのを目の当たりにする。



速めた足が止まった。


見たくない光景を、見てしまった.....



夏樹は、その子の腕を振り払う仕草をしているけど、その子はしつこく腕を絡めている。


2人の姿を追っていると、同じ教室に入った。


......同じクラスなんだ。



2人の姿を見送ると、私は自分の教室に向かった。


いすに座り、机に伏せる。


あの子.....いったい何者なんだろう。



明らか、私を嫌っている。


学園の王子様と付き合ってるんだもん、いい風に思われてないのは確かなんだろうけど、こんなあからさまに避けられたのは初めてだった。


だからこそ、戸惑いが隠せない。


「優樹菜ちゃん!おはよう!」


と、隣から聞こえてきた声。


顔を上げると、星夜くんが笑いかけてくれていた。


「おはよ.....」


心配かけないように、精一杯笑ったつもりだった。


「......元気ないね。なんかあったの?」


でも、見抜かれてしまった。