【完】俺に惚れとけよ。




だって、ふつうはしなくない?


夏樹は星夜くんが私を好きって知ってたんでしょ?


あの話しぶりからしたら。


それなのに、わざわざ私に気持ちを伝える時間を伝えるなんて。


夏樹が優しいとしか思えない。



「るせーなー!んなんじゃねぇから!」


幼なじみだし、星夜くんのことを知ってるからこそ、あんなこと言ったんでしょ?


幼なじみ思いで、優しいんだ。



「照れちゃってー!」


「るせー!帰るぞ!」


あーあ、拗ねた。


でも、拗ねたところも可愛い、なんて。



きっと、図星だったんだろうな。


だからあんなに動揺して。



「何1人でニヤニヤしてんだよ。」


「べっつにぃ?」


帰り道、そう夏樹に指摘された。


なんか、夏樹の新たな一面が見えた気がして。