【完】俺に惚れとけよ。




星夜くんの本性をしていたから。


夏樹と星夜くんが幼なじみという事実を聞いて、色々納得がいった。


「夏樹に色々吹きかけられてたんだ、優樹菜ちゃん。」


「ま、まあ......」


「そのうちに、夏樹に持って行かれたんだね。」


切なそうな星夜くん。


「で、でも!その時は全く信じてなかったから!」



最初夏樹に、星夜くんを悪く言われても、私は星夜くんだけを信じてた。


星夜くんだけを見ていた。



私が見ているのが、私が知っているが、本当の星夜くんだって。


詳しくどんな人なのかは聞いていなかったし。



「あーあ、もう少しだったんだけどね。優樹菜ちゃんが俺のになるまで。」


と、私の肩を抱いた星夜くん。


「おい、その汚ねぇ手を離せよ。」


「1人の女の子にこんなにぞっこんな夏樹、初めて見たよ。」


「うるせー。」


「でも......俺の本当の気持ち、優樹菜ちゃんに知られちゃったし、もう、手加減しなくてもいいかな?」


と、意地悪そうに星夜くんは言った。


「はあ?ふざけたこと言ってんじゃねえよ。」


「まあ、大まじめだけど?」


「お前な!」


「もし、優樹菜ちゃんをおいていくようなことしたら、俺がもらっちゃうからね?」


そう言って、私に笑いかけた星夜くん。


「それはねぇから安心しろよ。」


「ま、優樹菜ちゃんの幸せは奪いたくないし、今はそっと見守ってやるよ。い、ま、は、ね。」