【完】俺に惚れとけよ。





夏休みの時の2人のやりとり、今のやりとり。


ただ単に王子様同士でお互いに競争心を燃やしているとは思えない。



「そう言えばお前、優樹菜を泣かせるようなことしたらしいな。」


そう、夏樹が切り出してきた。


ああ、あのことか......



「それは、夏樹も同じじゃない?ていうか、夏樹の方が多いんじゃない?」


「今それは関係ないんだよ。」


ピリピリと、いづらい空間。


できればいますぐに逃げ出したいんだけど、私も関係していることだから。



「なに、人の女泣かせてるんだよ。」


「なに彼氏ぶって。」


「彼氏だから。」


「つい最近なったばっかりじゃん。」



止まらない言い合い。


仲介に入りたいけど、そんな隙間ないほど。


今、私が止めに入ったところで現状は変わらないと思う。